海界の村を歩く 玄界灘 神集島(佐賀県唐津市)

d0147406_19124829.jpg

唐津のホテルの朝。窓の外から聞こえてくるクルマの走る音がシャーっていってる。雨だ。天気予報はあったった。

唐津市街から30分、湊という地区にある小さな港。ここから今日最初の目的地である神集島に渡る。まだ、船も人も全くいない。本当にここから船が出るのか不安になる。
出航予定時刻の10分前に小さな船がやってきた。客を数人乗せて出航。10分の航海である。
d0147406_19124973.jpg

神集島上陸。本土側に自然の地形が防波堤を作ったような港。
神集島は、その台地状の形から軍艦島ともよばれる。古来、大陸と松浦を結ぶ航路上にあたり、渡航船の寄港地となっていた。島名は、神功皇后が朝鮮出兵の時に神々を集めて海上の安全を祈ったことに由来すると伝えられている。

さて、漁村集落攻略の鉄則は「表から攻めよ」である。中心と思われる一角や通りからはじめて、路地は後回しにしろということで、そうすることによって町の構造が理解しやすい。そもそも自分がいってる時なんだが、自分が一番この鉄則を守らない人間でもある。
ここでも海岸の埋め立て地から集落の端っこを目指してしまった。まぁ、どこかで中に入れるだろうとタカをくくっての行動だが案の定どこからも入れやしない。でも、いい建物群である。
興奮を抑えながら出発点に戻り、表攻めにてやり直す。
d0147406_1912503.jpg

ほうほう、良いではないか。なかなか大きく立派な古民家たちだ。昨日歩いた高島とは大違い。島というのは地域が同じであれば皆同じというものではない。島の繁栄は島ごとに異なるものでは、近く同士でも全然違う。本土の隣同士の集落の違いより顕著である。
d0147406_19125142.jpg

d0147406_19125274.jpg

東の端まで歩いた。中心部ではないのだが立派な家が多い。
d0147406_1912524.jpg

d0147406_19125343.jpg

戻り中心エリアを歩く。このエリアは集落の奥行きが深く、古くから形成されたエリアであろうことがわかる。建物もさっきの端っこのものより古いように思う。
d0147406_19125428.jpg

d0147406_19125460.jpg

d0147406_19125592.jpg

d0147406_19125533.jpg

特殊な感じの建物が現れ出した。窓が洋風だったり門が装飾的だったり。もしかしたら、旧旅館か料亭か?ここから海へ出て行ったあたりが船着場である。
d0147406_19125659.jpg

高いところから集落全体を俯瞰する。島内には古墳もたくさんあるという。歴史が深く交易上の重要なポジションにあった神集島は、玄界灘エリアで必見の島里であるといえよう。

d0147406_19125756.jpg

東松浦半島を反時計回りに進む。途中呼子を通過したが多くの観光客が訪れていた。GWとはいえ人気がある。
その呼子と同じ入江に面する鎮西町名護屋を歩く。名護屋といえば、日本史で習ったことがあるだろう。愛知県の名古屋と違う字で同じ発音なので記憶にも残っている。
d0147406_19125888.jpg

名護屋は、壱岐海峡に面した深い入り江に在る港で、荒天時には多数の機帆船や漁船が避泊する、玄界漁業の重要な基地の一つである。港背後の丘陵地に1591年豊臣秀吉が築いた名護屋城跡および陣跡があり、加藤清正の設計であったと伝えられる国史に残る地である。
d0147406_19125820.jpg

d0147406_19125999.jpg

町の北側は入江地形に従ったクネクネスネーク状の通りに面する町だ。
d0147406_19125965.jpg

戸袋に鏝絵が施された家もあった。
そして中央エリアになると町の厚みが増して路地も複雑になる。
d0147406_1913081.jpg

d0147406_1913141.jpg

d0147406_1913113.jpg

旅館や酒屋など、映画のロケにでも使えそうな味わい深い建物もあった。
d0147406_1913257.jpg

d0147406_1913371.jpg

そして、丘の上へと登る道に沿って大きな屋敷があった。丘の上は秀吉が築いた名護屋城跡である。

東松浦半島をさらに西へと走る。この辺りは棚田が有名。水を張った水田の美しい風景が連続する。
d0147406_1913362.jpg

日比水道を大きな吊り橋で渡って鷹島へ。その北西端近くにある阿翁浦免(あおううらめん)という漁村集落訪ねる。町並みとしてどこにも紹介されていないが、航空写真で目をつけた。
d0147406_1913454.jpg

d0147406_1913561.jpg

傾斜地に集落が形成されているため、港から眺めると水面に写り込んで美しい。
d0147406_1913545.jpg

d0147406_1913677.jpg

路地を入っていく。
d0147406_191373.jpg

d0147406_1913771.jpg

d0147406_1913875.jpg

オーソドックスな漁村の構成。かつて海岸線だった線形がそのまま集落の主軸となる通りがあり、主要な建物が面している。
d0147406_1913965.jpg

港に面して観光客相手の海鮮料理屋が数件あり、いずれも昼時で満席だった。
d0147406_1913961.jpg

クルマで戻り、吊り橋近くの和食屋に入った。「おとこめし」というこの店おすすめの海鮮丼を食したが、うまかったぁ。九州は醤油が甘いので、関東人からすると合う料理合わない料理がはっきり分かれる。この海鮮丼は、わさびを溶いた甘い醤油が新鮮な魚介類にバッチリであった!

by marunouchi_no1 | 2015-05-05 18:01  

<< 海界の村を歩く 東シナ海 宇久... 海界の村を歩く 玄界灘高島(佐... >>