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密里を歩く 紀伊水道(和歌山県)

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(和歌山県有田市宮崎町 矢櫃港)

紀伊半島の密集系集落を歩く旅。前回は、2008/12に三重県から時計回りに巡りました。その際、白浜温泉で高熱を出して寝込み、以降の旅、すなわち白浜温泉から北の紀伊半島西岸の集落を訪ねられずにいました。今回は約9年ぶりにつづきの宿題を果たす旅です。
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早朝、和歌山の紀和にある「天王新地」から歩きます。今回テーマの「密里」じゃありませんが、今年2月に歩き忘れた和歌山の遊里の町並みです。国道24号線の土手道、地蔵の辻という交差点のそば、「天王料理組合」なるゲートが目印。

店の看板を掲げ、まーるい照明をぶら下げた長屋形態の建物。如何にも関西で見る新地ですね。

まだ営業してるようです。土手道から二本の道に看板が出ていて、U字型に料飲店街が形成されている。
長屋の通りと違う方の通り。こっちにはお店の看板は出ていないので、もうやってないのかな。2012年に歩かれたいらかぐみYasukoさんの写真によれば、両側に建物がありました。画像、カフェー調の店がある。10分くらいの取材でした。
さぁ、今日のテーマの密集系漁村へ。
紀伊半島西岸のリアス式海岸には、急峻な岬がいくつか突き出していて、その先端付近、北岸南岸に密集系集落が見られます。
まずは、「アメリカ村」から。なんでアメリカ村? 美浜町三尾は、北アメリカ大陸のカナダへの移民を多く送り出した村として知られています。

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漁業権争いに負けるなどしたため、新天地を求めて移住が始まったそうです。一時は、カナダで成功した方々からの送金で裕福な集落になったそうですが、第二次世界大戦では財産を没収され、強制的に日本へ戻されたとか。現在はカナダへ戻り、三尾はカナダ移民ルーツの村となっています。
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こういった洋風の住宅は、移民が日本へ戻った時に建てたものでしょうか?
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三尾集落は、本瓦を漆喰で固めた屋根が多く、
軒先きに雨返しをつけた家も複数あり、台風上陸や多雨の紀伊半島らしい集落でした。
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日ノ御埼半島の三尾とは反対側にある集落 阿尾。

家々は主屋と付属屋ならびに塀で囲まれた形式が多そう。
神社の参道のところが広場のようにちょっと広くなっていて、鳥居前に土佐商店という万屋があった。「土佐」って高知県だよねぇ。
斜面に差し掛かるところの屋敷。密集系漁村の場合、斜面の下が埋め立て地で、このような縁の道が旧海岸線だったりする。だから、斜面側の家が由緒あったりする。
石垣にアーチがあります。古くはないが、石垣にアーチによってスペース生み出している。この家は因みに自転車置き場でした。
さぁ、どんどん北上しましょ。
紀伊水道の面するリアス式海岸、宮崎ノ鼻岬の半島南岸の漁村集落です。地名では宮崎町ですが、漁港の名前が「矢櫃(やびつ)」なので、そう呼びます。
櫃港に近づくにつれて道幅が狭くなり、最後はクルマが入れなくなってしまった。港に停めようと考えてましたがアクセス不可能。バックして駐車場に停めました。駐車場周りの斜面の中腹には、国民宿舎くろしおがあって他にも廃墟化したホテルが数軒あります。景勝地だったんですね。
素晴らしい!こういう集落と出会えるからやめられません!
下津町青石鼻の半島、南側にある大崎港。画像のように古い町並みがありそう、ココロが踊る。

海岸線に沿った町並み。いいですねぇ。大崎港は、紀伊水道の風待ち潮待ちの港だったようです。

お店があった。屋号が「土佐屋」。おや?阿尾にもあったぞ。この地域は四国へ渡るルートだったようで、四国の地名がついた店が多いそうです。

中央構造線に分布する青石エリアであるため、青石の石垣石塀が多い。
斜面集落に登っていくとこのような塀が現れた。波で現れた海岸でとれる青石の丸石を積んだ塀。素晴らしいです。
丘上の町並み。本瓦と漆喰が美しい古民家がありました。

港に戻ったら、かざまちカフェがオープンしてました。町おこしで、地元の人たちが地元の食材でケーキや料理を出している。
とても居心地が良く、多くの人で賑わっていました。
同じ半島の北側、塩津浦の隣にある戸坂港です。ここも、Googleマップの航空写真で当たりをつけてきた集落。
おおっ!斜度がキツイぞ。

大当たり!

密里テーマの対象となる集落は終了。関西空港の最終便まで時間が残っているので、海南市黒江を21年ぶりに歩きました。漆器で栄えた町。記憶にないがいい町並みと改めて思います。

隣の日方地区も良い。和歌山県の集落町並みは見所多しです。

by marunouchi_no1 | 2017-09-13 11:43 | 和歌山県  

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