海界の村を歩く 玄界灘高島(佐賀県唐津市)
唐津は古くから、唐(韓-唐)などの大陸との窓口(津-港)だった街。その唐津湾にポッコリと浮かぶ高島に渡るため唐津市街にやってきた。渡船の時刻には余裕がある。唐津の町並みは一通り取材済みなので、前回たどり着けなかった建物を見に行く。
西唐津に埋立地。大通りから住宅地に右折したら、、、真正面に現れた!
旧三菱合資会社長崎支店唐津出張所
明治41年竣工。設計は、三菱合資会社丸ノ内建築所。設計顧問に曽禰達蔵が携わった。
丸ノ内建築所とは、私の勤める三菱地所設計に至る創設期の設計組織。会社には三菱一号館からの図面が130年にわたって残されているが、その中に唐津出張所の図面もある。それを調べた上での訪問だったので感動した。
歴史民俗資料館として活用されていたが、現在は老朽化のため閉鎖されている。
港も当時の石垣が残っている。
建物は塗装や屋根など剥げ落ちているものの、思ったよりしっかりしている印象だ。
現地で修復か、移築復元か、検討されているようだが、やはり場所の記憶は大事なので是非原位置で継承願いたい。
さて、本題の高島に渡航しよう。唐津城の城郭内にあたる千代田町の桟橋から船に乗る。
高速艇10分で着いた。結構混んでる。釣り客でもないのに、高島へ何しにいくのだろう。
答えは船を降りてすぐわかった。
「宝当神社」という社があり、縁起担ぎで宝くじフリークの聖地になっているのだそうだ。皆桟橋から徒歩3分の宝当神社に参り、帰りにお土産と宝くじを買って、すぐに今きた船で戻る模様。集落など全く興味ない。
高島の集落は、高い山とは対照的に真っ平らで、切妻の平屋建てが並ぶ。漁業や農業で潤ったというもにではなく、簡素な民家たちである。
特徴は黒板壁といったところか。景色はいいのだけれど集落的には星一つかな。
集落の真ん中あたり、例の宝当神社があった。
ここだけ潤ってるのがあからさまである。まぁ結構なことだけれど、なんとなく面白くないのでお賽銭も参拝もしないで出てきた。宝くじには興味はない。
しかし、どこにいっても花が綺麗である。帰りの船の出航まで一時間も余してしまった。ド派手な土産もの屋の写真を撮ってたら店の中から店員が出てきたので逃げてきた。入りたくもない。
港に場違いなカフェがあったので、時間つぶしでビールおつまみセットを頼んだ。
by marunouchi_no1 | 2015-05-03 16:01 | 佐賀県