海界の村を歩く 瀬戸内海 伊吹島(香川県観音寺市)
昨夕、観音寺港から伊吹島へ渡りました。昨日探訪した粟島や志々島とは全く異なる様相。島全体が台地のような形状で、沿岸には港や水産加工工場だけがあり、全ての集落が台地の上に形成されている。そして、その規模も大きい。これから歩きますが、どんな集落を見せてくれるのか。とても良さそうな予感がしていて、やや興奮気味です。
島の再奥にある民宿いぶきからの眺め。晴れていれば向こうに浦島伝説のある荘内半島が横たわっている。
昨夜は雨が降っておらず、離島ならではの無音&漆黒の夜でした。小さな離島に泊まることで体験できることの一つです。
台地の上と表現しましたが、上は上で険しい。起伏があります。集落は荒神社あたりが高く、南北に斜面。北は北浦港へ向かって谷があって、谷を挟んで東西に見合うように、斜面上に集落が形成されています。
↑これは谷の西側から東側の集落を眺めた全景。
↑斜面の先端にある伊吹産院跡。伊吹島では女性が出産するとき、この産院に泊まって子供を産んでいたそうです。島の女性が共同で世話をして出産を助けたとか。出産後も母子は1カ月ここで生活する。独特の風習があるのも島ならではでしょう。
ここから北浦港へ下りていく。
いりこ(カタクチイワシ)漁の漁船が沢山停泊している。若い漁師のにいちゃんもいましたから、漁業が盛んなんですね。
港で船から降りてバイクに乗ったオッチャンが、防波堤に座っている私の方にやってくる。そして声かけてきた。
???
なんだ、民宿の主でした。漁師だったんですね〜。
島には4つの水産加工工場があるそうです。ここ北浦にも一つ。いりこを採って加工しているのです。観音寺に本拠地を置く加ト吉と関係あるかと聞いたら、関係なく全く島オリジナルの企業だそうです。だから漁業が盛んなんですね。
谷の東側集落を再登坂。外装の板はみな舟板。古い漁船の材料を再利用したもの。
荒神社前の「オコジノイズミ」伊吹集落内には何ヶ所か水源があります。水は島の生命線ですからね。ここは、コンクリート製のでっかい貯水池なんでしょう。
集落のど真ん中に八幡神社の鎮守の杜があります。その東側近くに郵便局があって、旧家らしい大きな屋敷が集まってる。集落の中心部でしょう。↑郵便局前の商店。
↑旧家の集まった町並み
郵便局あたりから真浦港へ下っていく道がメインストリート。港近くは傾斜がきつく、道路を緩やかに通すために切土されて石垣が積まれていました。
伊吹島の集落はとにかく広かった。隅々まで迷路のような道をほぼ全て歩いて、3時間半みっちりかかった。
早めに船に乗り込んで、カーペットの上に寝転がって、このブログを書いてます。
丸亀に戻りました。金曜夜に食べたラーメン屋の広島風冷麺が食いたくて再度行ったけどまだ営業時間前。丸亀のアーケード街入口にあるうどん屋に入りました。さすが讃岐、海鮮ぶっかけ旨かった。
丸亀駅前のアーケード街は歴史的建造物がかなり残っています。
銀行も残ってたぁ
さぁ、一本早い便に切り替えて帰ろう。
今回、香川県西部の三つの島に行って改めて感じたこと。瀬戸内の島の過疎化は急激に進行していて、廃村寸前であること。しかし、生業がうまく行ってる島とそうでない島で、近くにあっても全然違うということ。山村であればエリア内の差はないけど、島の集落は差が出ますね。
伊吹島に近づいて行った時、海岸線に工場がびっしり建っていることに驚きました。イリコの水産加工場です。でも、集落内の人口は最盛期の1/3とも言われております。廃屋や空き地化した家も多く見かけました。
伊吹島は、今年も瀬戸内国際芸術祭で盛り上がるそうですが、安易に観光へシフトせず、漁業+水産加工業でがんばってほしいと思います。
by marunouchi_no1 | 2015-07-05 07:34 | 香川県