海界の村を歩く 瀬戸内海 走島(広島県福山市)
鞆の街の構造はやや複雑です。簡単に言うと北から入ってくる(福山方向)旧道が港で西へ折れ、そこを主軸に街が形成されているイメージですが、北前船をはじめとする瀬戸内航路の港町として相当栄えたのでしょう、その主軸からかなり拡がっている。そして、ドマンん中に城山があって複雑化している。
いままでまだ歩いたことの無かった、福山方向から入ってくる旧街道沿いを歩きます。さすが鞆といったところで、ここにもしっかり古い町並みが見られるのには驚きました。
街の主軸が折れる辻の町並み。洋風の銀行建築があったのに記憶無かった。
有名な林家住宅。ここからは観光客も歩くエリアです。
鞆城跡の城山北側を通う通りに立つ家。屋根の勾配がねじれてる。複雑な地形と町割りによる歪み。
何度も訪れると「看板建築」「長屋の路地」なんかに気がつく。
鞆の浦の架橋論争。まだやっているそうだけど、「そりゃないでしょ」ってマジに思う。
だけど、私が主軸と呼んだ細い旧道の交通量を見るとわからないでもない。やっぱり山にトンネル掘って追加交通を裁くのと、観光客のクルマを締め出せば、架橋しなくて済むのではないでしょうか。
港近くの太田家住宅の裏の町並み。舟板とアミダ式海鼠壁。
港に面するこの近代建築は、僕にとって印象深い建物ですが、タイル剥落、サッシュ腐食が進んでいて心配です。
さて、船の出発時刻となりました。
走島は、広島県福山市の南端鞆の浦の南東6kmにある島で、標高180mの高山を最高に100m級の山々が北西に連なり、おおむね急傾斜地になっています。ノリ養殖やカタクチイワシ漁が盛んで、県内でも有数の漁獲量を誇る漁業中心の島。本村(もとむら)、浦友、唐船(とうせん)の3集落があります。
島に着きました。まず驚いたのは漁船の数の多さ。漁業が盛んなのでしょう。
港から内陸へ一直線に延びる縦道が集落の主軸。途中まで村上神社の参道です。
参道に面して建つ旧家:村上家住宅。しっかりした入母屋本瓦葺き。
集落の特徴は入母屋屋根の町並みであること。本瓦も多く、漁業で繁栄した面影が残っています。
村上神社を過ぎ一直線の道を歩いていきます。
しっかりした屋敷構えと入母屋本瓦葺きの母屋。
モダンでレトロな理髪店。理髪店というのは、そのエリアの中心的な存在集落であれば必ずありますね。
島の東部にある唐船地区は、室町時代に勘合船が停泊した地といわれています。その沖合に「千軒町海没地」といわれる場所があり、室町時代に商船の寄港地として栄えていた町が地震と津波で海底に沈んだという伝説があります。
福山駅でレンタカーを返して、岡山空港経由で東京に戻りました。次回は、愛媛県の離島を探訪する予定です。
by marunouchi_no1 | 2015-12-06 09:10 | 広島県