海界の村を歩く 紀伊水道 沼島(兵庫県)
2015年最後の旅は、紀伊水道から瀬戸内海東部にかけての島旅です。12/25深夜、クルマで東京を出発。東名→新東名→新名神→名神→明石大橋→神戸淡路鳴門道とノンストップで走って7時間、8:00淡路島の東南部土生港に着きました。
淡路島の南東部には、島内最高所の諭鶴羽山地が海から切り立っていますが、土生港はその崖下のような場所にあります。ポツンと港だけがある感じ。お天気はポカポカ、マフラーいらないほどあったかい。
渡船で10分4km、紀伊水道に浮かぶ沼島へ渡ります。船を降りると、今度は超寒い。土生港は北風を諭鶴羽山地が屏風のように遮っているからあったかいんだそうです。
沼島の集落は1箇所だけ、淡路島に向かってあります。
歩き始めてまず目に入ってきたのが本瓦葺きの屋根。これは南あわじ市で生産されている全国的に有名な淡路瓦です。いぶし銀の輝きがとっても美しい。
海岸線に沿って家々に挟まれた主軸の通りから、直交する細い路地に入ってみると、板壁に囲まれました。
港から登る長い階段が見えてきた。沼島八幡神社です。長〜い参道を頑張って登ると広々とした境内から集落が俯瞰できた。
さらに西へと歩いて行きます。大黒屋という銭湯が現れた。今でも営業してそうです。淡路島の北端にある岩屋を歩いた時も、同じような感じで銭湯が現れたことを思い出しました。
集落西エリアを海岸から眺める。妻面を海に向けた甍並みです。
主軸の通りを東へ戻ります。島の中心にある山の頂から港に向かって下る尾根を集落が跨いでいます。視点が高さ方向に変化するシークエンス。本瓦葺の大きな屋根を見下ろすことができます。この町並みの見どころスポットでしょう。
尾根を越えて東側の谷に下る。道によって円弧にカットされた庇のある家がありました。庇は銅板葺で緑色が目に新しい。
尾根下のエリアには、旅館っぽい佇まいの建物が集まっていました。もしかしたら遊里かもしれない、そんな想像をしながら歩きます。
島では重要な役割を担う手押車が、路肩に縦列駐車してました。自動車のない小さな島里ならではです。
土生港に戻ります。ここから淡路島の西側の集落を歩きます。
南あわじ市阿那賀。淡路島から四国徳島へ鳴門海峡を渡るには福良港が有名ですが、鳴門大橋ができる前、フェリー用の港としてここ阿那賀からのルートもありました。
南あわじ市湊は、西淡地方の中心。江戸期は大阪に送る藩米の積出港であり、明治期には大阪と四国との間を就航する大阪商船の寄港地として栄えたそうです。また、淡路瓦エリアの中心でもあり、瓦屋根が美しい町並みでした。
五色町都志万歳地区は、南から来た街道が都志川の橋に向かって下っていくところに街が形成されており、印象的な町並み景観をみせています。一軒一軒は特筆すべき古い民家はなさそうでした。
ほかにも数か所立ち寄りましたが、取り上げるには値しませんでした。
by marunouchi_no1 | 2015-12-26 20:00 | 兵庫県