海界の村を歩く 瀬戸内海 家島群島（兵庫県）

2015/12/27
姫路市の南、飾磨港から家島群島の家島と坊勢島を訪ねます。飾磨港は辺り一面工場工場！重工業地帯の真っ只中。イメージあまり良くないですが、工場群の迫力はあります。

家島は、姫路市の南西部１８ｋｍの播磨灘にある家島群島の中心島。六甲山地の隆起に伴う播磨灘西部の沈降によって残った山頂部だそうです。溺れ谷によって海岸線は変化に富み、奥深く湾入している。だから大きな船が入れる天然の良港となっているのです。
そのため、家島港に近づくと小さな離島とは思えない光景に驚かされます。一面が造船工場！

島の北部の大きな入り江・家島港の周りに主要な集落が形成されています。湾の西側に真浦港、東側に宮港がそれぞれ、海岸線と細かな入り江、そして斜面に人家が築かれています。

まずは、真浦港の船着場から海岸線に沿った街を、陸に向かって右側から歩いて行きます。

湾に向かう尾根と谷が交互に現れる地形。尾根が海に落ちる部分は、道一本の両側に家が建つ一皮の街。いやいや、海側はビルです。小さな離島では珍しいでしょう。

しばらく歩いて行くと、造船所が現れた。写真右手が海側の造船所です。

集落と工場が一体となった街。

谷のところでは集落が奥に広がっていて、斜面に
駆け上がっている。そこから眺めた港の風景。

部品としてのスクリューが道からすぐそばの場所に置いてある。金キラに輝いていますが、何でできているのかな。

定期船乗り場付近に戻り、谷に広がった中心集落に入って行きます。ビルの一階がくりぬかれていて、集落の通りとなっている。

主軸の通りに出たら魚屋さんがあった。活きたまま売られています。

大きなお屋敷の脇から路地に入る。

背後の斜面に上がった集落から。

家島湾を取り囲むもう１つの集落が宮地区。こちらは単純な構成で海岸線に沿った一本の道と斜面に上に広がっています。

主軸の一本道。一般的な平入の町並み。

一見して古いとわかる民家は数軒しかありませんでした。

造船施設。クレーンの骨組みみたいなのがゴロゴロ置いてあった。

ここから島の反対側まで歩きます。といっても2kmくらい。一応山越えるので、30分くらいかかる。網手港から坊勢島へ小さな渡船で渡ります。

坊勢島も旧家島町（姫路市）です。この島、シマダスによれば群島で唯一人口が増加しているのだそうです。

船上から眺めても、確かに海岸近くから丘の上まで密集している様子がわかります。
船着場には今乗ってきた渡船意外にも、姫路からの高速艇やフェリーなどが頻繁に運行しています。しかし、海岸近くは漁業施設だけで集落はない。すべて斜面から丘の上にかけてあるようです。まずは、主軸っぽい縦道を上っていきましょう。

丘の上の大きな道もない密集した集落でありながら、ご覧のような立派な住宅が建っている。かなり漁業で成功しているのでしょう。人口増もうなづけます。

道は狭いですが、階段ではなく道路になっている通りが多い。つまり、バイクで上がってこられる。集落の重要な交通機関はミニバイクです。

お父さんもお母さんも、おじいちゃんもおばあちゃんも、子供を乗せた若いお母さんも、皆バイクで坂道を勢いよく上り下りしてる。「ウイーン」とエンジン音がしてきたら、歩行者から注意して避けないと危ないほど。

港と反対側を見下ろす。


すごいですね人間は。住むためにこれだけ開発してしまうのですから。漁業が盛んな島というのは、離島集落の醍醐味です。


姫路飾磨港に戻りました。飾磨の町は港から比較的内陸にあります。陸と海の交通結節点だった重要な港町だった飾磨ですが、どんどん海が埋め立てられて、海との間に工場地帯が形成されたため、港町というよりは街道町といった風情でした。

今宵は岡山県の日生泊です。料理旅館で海の幸をたらふく食べて、明日の日生諸島に臨みます。