海界の村を歩く 瀬戸内海 日生諸島(岡山県備前市)
日生諸島は本土に近いところに大小14の島々からなっています。内、備前市(旧日生町)に属するのが鹿久居島、大多府島、頭島、鴻島などです。2今年、日生から鹿久居島へ橋が架かったため、以前から繋がっていた鹿久居島〜頭島によって、頭島までクルマで行くことができるようになりました。そこで、頭島から大多府島へ渡りました。
島の北岸は天然の良港で、南側は奇岩に富む日生町有数の景勝地となっています。1698年(元禄11)岡山藩が開港、農民を移住させて開拓したといわれ、瀬戸内航路の風待港でもありました。現在島民は主に海運業に従事しています。
まずは、防波堤の上に立って大多府集落を一望します。
港に面して比較的立派な二階建て民家が建ち並んでいるのは、この手の小さな離島としてはやや珍しいと思われます。
旅館のような規模。風待ち潮待ち港としての名残なのでしょうか。
軒下のギザギザは水切りの役割でしょうか。
水が貴重な島の生命線である井戸が2つ並んでいました。六角井戸の周りは石敷きです。
頭島に戻ります。頭島は、日生諸島の中で人口が最も多いそうです。宿泊施設も複数あって、このエリアの観光スポットになっています。
緩やかな斜面に形成された集落は、いわゆる斜面上密集系漁村の部類ではあるものの、屋敷地には余裕があるように感じました。斜面の斜度が緩いからでしょうか。
本瓦葺きの屋根が美しい家も複数軒残っています。
この家は珍しい下見板張りの洋風住宅。よく郵便局とかで見かけますが、そうだったのかな?
頭島から眺めた鴻島。ここには集落はありませんが、別荘地が整備されています。ポツポツ見える白い家は別荘。不思議な風景ですね。
日生の町を歩きます。
旧日生町の中心地で、打瀬網の漁業地区。江戸後期に四国沿岸へ、明治期には朝鮮海岸へ、さらに台湾、シンガポールの近海へも進出し繁栄したそうです。
今では牡蠣を求める観光客が訪れる街。「牡蠣お好み焼き=カキオコ」の店がたくさんあって行列ができていました。
さて、これで2015年末の予定の旅程は終了ですが、一気に東京まで走るのも辛いので、途中もう一泊して帰ることにしました。ちょうど中間の三重県名張市のビジネスホテルを予約。
名張へ向かう途中、同行している娘が廃墟化した「奈良ドリームランド」を見たいというので立ち寄りました。木造のジャンボコースターが残っていた。
近くには明治期に建てられた奈良少年刑務所があります。なんとも不思議な取り合わせでした。
by marunouchi_no1 | 2015-12-28 20:00 | 岡山県