海界の村を歩く 瀬戸内海 大久野島・契島(広島県)
海界の村を歩く 瀬戸内海 大久野島・契島(広島県)
(広島県大崎上島町契島)
瀬戸内広島県東部の島旅、最後は集落のない2つの島を、いらかぐみの孫右衛門さん、Yasuko さんと共に訪ねます。
三原から忠海へ向かう途中、海面に蒸気が漂う風景。カメラマンが随所に居たから、有名なスポットなのでしょうね。
大久野島
広島県瀬戸内沿岸のほぼ中央に位置する忠海町の沖合い2.3kmにある島。明治33年、忠海に芸予要塞司令部が設けられ、翌年大久野島に砲台が構築されている。昭和4年には、旧陸軍の毒ガス製造工場が設置され、現在国際法で禁止されているイペリットガス化学兵器が製造されていたという歴史持つ。昭和38年に島全体が国民休暇村となって以来、レジャーとスポーツのリゾートアイランドとして生まれ変わり年間14万人を超える人々が訪れる楽しい島になった。
現在では毒ガス資料館があるほか、ウサギが放し飼いされた島として人気を集めている。(「シマダス」参照)
大久野島は、今やウサギ島として、とにかく人気があります。いらかぐみの2人も忠海港に早く到着し、7:40の高速船に乗ることができました。
大久野島の第一桟橋に着き歩き出すと早速うさちゃんが登場。みんなキャベツなどを持って来ていて餌やってる。これは楽しそうです。
ガス工場時代の研究室跡。昭和2年だそうで、既にモダニズムっぽいですね。
国民休暇村のあたりは広々しています。毒ガスの三軒家工場があったエリアです。そこら中にボコボコ穴が空いているのは、うさちゃんの仕業だ。
さて、山を登っていきましょう。
山頂近くに現れた芸予要塞時代の中部砲台跡。蜜洞住居のような造り。
レンガ蔵で入口だけRC造のアーチが組まれている。 外部から見つからないように、山のてっぺんを掘り下げて、そこから横穴式に施設が構築されていました。
北部砲台跡。
発電所跡。よく紹介されている建物で、内部が素晴らしいんですが、危険なため入れませんでした。
現役時代の発電所。
かつての桟橋。
忠海港へはフェリーで戻りました。忠海港では大久野島へ向かう人たちで長蛇の列。まるでディズニーランド状態です。朝一で渡って正解でした。
竹原へ移動し契島へ
契島
竹原市の南約4kmの瀬戸内海にある小島。島全体が東邦亜鉛(株)契島精錬所の所有地となっている。明治32年に堂の精錬所が建設され、昭和10年には硫酸工場も造られた。戦後は昭和25年に東邦亜鉛によって鉛精錬工場として再出発している。精錬所の建設後、南北二つに分かれていた島を、それぞれの山を崩して繋いだと言われている。島名の由来も2島にちぎれたように見えたからという説がある。現在、北部と南部が居住区で中央には工場が建っている。このため、居住できる人は会社関係者のみで、部外者の立ち入りは会社許可が必要。夜、島を遠くから眺めると軍艦が浮かんでいるように見える。別名「軍艦島」とも呼ばれている。この精錬所の鉛の生産量は東洋一を誇っており、第二次世界大戦中には空撃を受けたこともある。(「シマダス」参照)
契島は島がまるごと工場。長崎の軍艦島などは島全体が炭鉱町ですが、契島は工場だけです。関係者しか下船できないので、われわれは
外から見るだけになります。竹原から往復することができますが、船着場が島の北側にあるので全体が眺められない。したがって、一度大崎上島に渡り、南側からアプローチします。
水際まで工場の建物が建っている。
船着場が見えてきた。東邦亜鉛の守衛所が見える。
実は、この守衛所の手前までであれば下船できると思っており、契島→竹原の船に乗って帰るつもりでした。しかし、関係者以外は船から出られないとのこと。頼んで30秒だけ下船させてもらい(一応上陸)、大崎上島白水港へ戻ったのでした。
by marunouchi_no1
| 2017-11-16 17:52
| 広島県