
(岡山県岡山市犬島)
2年前、アートな島としてグローバルに人気のある豊島と犬島を歩こうとしましたが、高松港で乗り場がわからず直島行きのフェリーに乗れず、犬島を断念したことがありました。今日はそのリベンジです。

高松港から、2年前に乗るはずだったフェリーに乗り、直島で旅客船に乗り換えて、犬島にやってきました。平らな島で、煙突が何本も見えます。
岡山市の東部沖合2.2kmにある岡山市唯一の有人島。温暖な瀬戸内式気候に恵まれている。元禄年間(1688-1704)に入植が始まる。古くから石の島として知られ、鎌倉八幡宮の石鳥居、岡山城、大阪城、江戸城などにも犬島産の石が使われている。明治30年代の大阪港築港のための採石業と40年代の銅の精錬業などで隆盛を極めた時代があり、大正7年には小学校、昭和22年には中学校が開校された。昭和44年には岡山市に合併し、その後の経済変化による企業撤退、住民の減少や高齢化により小中学校ともに平成3年には廃校となり、今では採石業と化学工業があるのみとなった。「煙突と石の島」のイメージを持つ島で、精錬所跡や数多くの採石場跡が当時をしのばせる。(「シマダス」参照)

犬島港。明治期は採石と銅の精錬で隆盛を極めたそうですが、港周辺はひっそりとしたものです。

ただ、このように石がゴロゴロしていました。露天掘りの跡と思われる池もあって、採石の島だったことが偲ばれます。

集落に多く見られる石垣石塀。


港から集落へ入っていくと、かつての商店が並んでいます。ここは銀行かしら。栄えてた証かな。

集落を高台から見下ろします。本瓦葺の入母屋造、瓦を貼った土壁など、岡山らしい。なるほど立派な家が多そうだ。
島の西側に向かう。
犬島の西側にある犬ノ島。泳いで渡れる距離ですが、橋はかかっていません。まるごと化学工場の敷地になっています。
島の西側には今でも現役の採石場があります。

中心集落へ戻ります。犬島は明治期の銅の精錬所跡を10年前に美術館として整備し、今では国内外問わず多くの観光客が訪れます。そして、島のあちこちにアートが設えられていて、散策を楽しむことができる。

空き地を使ったアート。


様々なアート作品が古民家と共存しています。

そして、島の東側一帯には銅の精錬所があった。

その遺構は、美術館と共に整備されています。美術館は建築家三分一氏が設計したもの。内部は写真撮影できませんので載せられませんが、外部はOKです。美術館の最後にガイドのおばやんが居て、ものすごい圧倒される勢いで説明してくれます。強烈ですよ〜。

精錬所の煙突を使った自然換気、精錬所煉瓦を使った蓄熱など、自然の力を利用して、美術館は動力のない空調をしています。

煉瓦は一般の煉瓦ではありません。銅の精錬で排出されるスラグ固めたものだそうで、ほとんど鉄だそうです(強烈おばやんから受け売り)。

煙突は6本残っています。ところが円形は丈夫ですが、八角形は皆崩れています。円形に比べて弱いそうです
(強烈おばやんから受け売り)。

一番奥に残る建物の遺構。煉瓦壁だけ残っていて、手前の壁と屋根がない。

煉瓦壁の納まりから、屋根と手前の壁は木造だったと思われます。
犬島は、是非シーズンオフに訪れてください。静かでいい島旅となるでしょう!