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海界の村を歩く 瀬戸内海 大入島・佐伯

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(大分県佐伯市 大入島 荒網代浦)

豊後水道とは四国愛媛県と九州大分県の間の海域で、太平洋と瀬戸内海がつながるところ。「関サバ関アジ」は皆さん耳にしたことがあると思いますが、水産資源が豊富な海が広がっています。要は漁業に大変適した海。一方、四国側も九州側もリアス式海岸地形になっていて、細く伸びた半島が多く、半島上とその先の島とに集落が点在しています。
豊後水道沿は良い集落が多く、今まで何度も足を運んでいます。数年前に四国側をほぼ制覇していますが、今回は九州側の詰めです。つまり、ひたすら豊後水道に面した漁村集落を4日間攻め続けるという、誠に地味な旅なのです。
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黄色で囲った範囲が今回歩き回るエリア。一番北にあるのが佐賀関半島で先端の青印が「関サバ関アジ」で有名な佐賀関。北から2番目が長目半島で先端から離れて無垢島がある。3番目が津久見から長く伸びる四浦半島で先端に保戸島がある。4番目は佐伯から一番細長く伸びている鶴見半島で、これまた先端に大島がある。そして一番南は蒲江湾から行く屋形島と深島で、これも半島になり損ねた島でしょう。
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これらの集落たちを、離島への船便を考慮しながら効率よく巡るため、初日の前夜に大分に入りました。拠点とする佐伯のホテルに4泊します。
初日は、一番渡航が難しい無垢島に渡る予定です。なんせ無垢島への船便は通常1日1便。無垢島起点ですので、本土から渡るためには島に1泊しなければなりません。インターネットでの観光案内では民宿が一軒ありますが、昨年問い合わせたら廃業されているとのこと。となれば、木曜日と日曜祝日の1日2便を使って日帰りするしかありません。
今回の旅の初日は木曜日。津久見港12:30発無垢島13:00着/14:00発津久見港14:30着の便があるので、1時間滞在できる計算です。無垢島はとても小さな集落だから、1時間あれば十分歩けてドローンも飛ばせる。
しかし、津久見港の待合所に入って窓口で尋ねたところ、何と今日春分の日は祝日ダイヤとのことで、すでに1便が出た後でした。ちゃんと調べればわかったはずのこのミス。今までも数度やっちゃっているのですが、懲りませんねぇ。というわけで、無垢島はキャンセルとあいなりました。
初日はリカバリープランを早速選択することとなり、四浦半島の集落と佐伯沖の大入島へ予定変更。歩いた順序とは違いますが、わかりやすさを優先して、大入島・佐伯の順でレポします。
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大入島の石間から本土の佐伯市街を望む。ほんとすぐ、フェリーで10分。

大入島(おおにゅうじま)
大分県の南東部に位置する県南の中心都市・佐伯市から北北東に0.7km、佐伯湾に浮かぶ周囲22kmの島。形が「入」の字に似ている。漁業と農業が中心で、漁業では沿岸漁業が主体で、ヒラメの陸上養殖なども盛ん。新鮮なk農水産物を使った特産加工品やレストランメニューが人気の「おいしい島」である。また、全島が国定・県立自然公園に指定されており、風光明媚な景色が四季折々に味わえる。また、神武天皇の伝説や6世紀ごろの古墳など、歴史的にもロマンのある島である。(「シマダス」参照)
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大入島を反時計回りに一周します。まずフェリー乗り場に近い一番大きな石間集落を歩きます。
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下見板張りの比較的新しそうな家が多い印象。傾斜地でもなく平凡だなぁ。
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それ故に、このような写真を載せてしまう。
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海辺にある「田中ショッピング」。ひっきりなしに人が出入りしている。まとまった買い物は佐伯市街に出ると思われますが、ちょっとしたものはこの店で手に入る。島のコンビニですね。
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ラムネがあった。懐かしい。
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荒網代西集落。防潮堤のような石垣がありました。
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島の東端近くにある荒網代浦集落。
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傾斜地でもあり、この集落が島で一番良いかな。入母屋屋根の下見板張壁が伝統様式と見た。

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塩内浦
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塩内浦
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塩内浦港から上がっていく縦道。段々に石垣が築かれている。
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この時期は結構風が強い。今日は特にですが、夕方やや緩んだようだったので、ドローン飛ばしてみた。画像は荒網代浦です。
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島の北部にある「人形岩」。大岡越前?
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島一周して2箇所の集落を歩きました。
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さて、午前中に歩いた佐伯の街をレポしましょう。佐伯藩の城下町。江戸時代から「佐伯の殿様、浦でもつ」といわれるほど、海の幸山の幸が豊富な街です。町並みとしては、武家屋敷町が有名ですが、以前に訪れているので今回は町人町エリアを歩きました。
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佐伯市内町。本町通りの「なかまち商店街」アーケードに平行した新町通りとうまいもん通りは夜の飲食店街。
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古い建物が点在して残っています。
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新町通り
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こちらはモロにクラブ&スナック街です。
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なかまち商店街。
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味わいのある型ガラスの理髪店。
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佐伯の古くからの商業地は、城下町らしく駅から大きく離れており、本町通りエリアと京町通りエリアにわかれます。
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城下町時代の絵図。両町の間には堀があったことがわかります。今は道路になっている。
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船頭町の造酒屋さん。右が本丁通りで左が札場通り。
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昭和30年代の本丁通り。
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札場通りから京町通りへ。洋風の看板建築がありました。
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京町通りの旅館宝来家。
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こういう看板洒落てますね。
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京町通りはかつて「裏ノ丁」と呼ばれた大日寺の門前町で、明治以降は佐伯中心の歓楽街として賑わったそうです。昭和5年の大火で20数軒が焼失したそうですが、画像の糀屋本店は類焼を免れました。
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中江川沿のかつての町並み。
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その中江川に沿った浜丁通り。
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浜丁通りの町並み。佐伯の町人町の中では、比較的古い民家が揃っている通り。明治22年に大火があり、現在見られるものは以後の建物です。
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佐伯名物の「ごまだしうどん」。麺がとってもシコシコしていて美味しいです。

by marunouchi_no1 | 2019-03-21 20:00 | 大分県  

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