(佐伯市鶴見 大島)
豊後水道西側の旅、2日目は佐伯市から東へ細長く延びる鶴見半島と先端近くにある大島の漁村集落です。
鶴見大島佐伯市の東約15km、鶴見半島先端近くの豊後水道に浮かぶ、小さな大島。島の東側は太平洋の荒波が打ち寄せる断崖絶壁で、豊後水道自然公園に指定され、雄大な景観は目を見張るものがある。西側に船隠・田野浦・地下の3集落がある。一本釣漁業が主産業で男たちが腕一本でささえる漁業の島である。最近、島の西側に沖合養殖場が造成され、ブリ、タイなどが養殖されている。その品質は素晴らしく、市場の評価は高い。佐伯湾口の交通の要衝に位置することから、慶長11年(1606)に毛利佐伯藩の船番所が置かれて開発が進んだといわれ、加茂神社や「とび太鼓」などの文化遺産、「壇の窓」に代表される自然のおりなす景観が素晴らしい。(「シマダス」参照)
佐伯葛港から高速船で30分。
リアス式海岸のV字の奥にある佐伯港の海は静かですが、半島先端へ近づくにしたがって波が高くなり、船は結構揺れます。今日も風が強い。
定期船は大島の地下港と田野浦港に寄ります。佐伯葛港から乗船した際、船長から帰りの3便は最悪欠航するかもしれないと言われていましたが、大島に着いた時点で、3便はは予定通り運行するであろうと判断いただき、安心して地下港にて下船しました。
地下集落の加茂神社。緩斜面上の集落の中ほどにあります。
加茂神社のアコウの木。見事!
加茂神社からの地下集落俯瞰。遠くに見えるは鶴見半島です。
一本の縦道が奥へ奥へと延びていて、段々状の石垣が見どころ。
こういうクルマの入れない道がそのままに残っているのが島里のいいところです。
どこの島にもネコがいる。
地下集落の共同井戸の辺り。
井戸の傍にあった「水神明」
地下集落から田野浦集落へ。地下集落を出るところにこのようなコンクリートのゲートがあった。向こう側からもの凄い勢いで風が吹き抜ける。さて、このゲートの役割はなんでしょうね。考えられるのは、「防風」と「防潮」ですが、もし防潮なら水門が付いているはず。であれば、防風なのか。ナゾです。
地下と田野浦の間に小さな集落がありました。その上に廃墟化した鉄筋コンクリート造の建物があった。
小中学校かなぁ。でも海岸沿いに小中学校があった。
大島で一番大きな田野浦集落の全景を防波堤から眺める。
海岸線に直交する縦道が何本も奥へと延びている。
大潮の時期だそうで、海岸では海藻採り。
田野浦集落に入ってみましょう。
歩き回っていたら屋根付きの共同井戸があった。
石垣が続く縦道。
大きく古い建物。
密集系漁村ならではの細い道を歩き回る。
下見板張り壁の家々。
家の裏を流れる川を渡る橋。
家と家の間の川。生活水の排水路でしょう。
密集した中に突然郵便局が現れた。港の近くではなく奥の方にあるのは意外。
集落を見下ろす斜面上に広がる墓地。密集系漁村の典型ですね。
墓地から眺めた田野浦集落。瓦を漆喰で固めているのは、台風常襲地域の証し。
もう一つの集落である船隠地区。なんと読むのかわからない。
かつての海岸線に続いていた石塀が残っていました。
この海岸線に面する石塀は、大分県愛媛県問わず、豊後水道沿の集落の共通要素です。このことの確認が、今回の旅の最大の目的でもありました。