
(佐伯市蒲江 屋形島)

豊後水道西側沿岸の旅、3日目は大分県最南部の屋形島と深島です。

この2島はリアス式海岸地形の半島が沈降して、高い部分が海面上に現れているものでしょう。

屋形島・深島へは蒲江港(旧蒲江町の中心)から1日3便の高速船が出ていて、蒲江港→屋形島→深島→屋形島→蒲江港の順で運航しています。

蒲江港の乗船場。1便でまず屋形島に渡り、その船が深島を往復して屋形島に戻ってくる40分間が与えられた取材の時間です。そのまま滞在して、2便で深島へ渡っても良いですが、待合所もなく小さな集落しかない屋形島に4時間滞在は辛い。

小さな船で乗客エリアと運転席が一緒。
屋形島(やかたじま)蒲江町の南約2kmの蒲江湾口に位置する。西側と北側中央部に集落と耕地がある。地質は黒色千枚岩からなり、気候は温暖多雨で、夏季には南南東、冬季には北西の季節風をうける。南7kmにある深島を結ぶ海中には起伏の多い天然礁がある。海流は瀬戸内海の低温水と黒潮から流入する高温水との混合流となっている。島名は、かつて唐船が来航した際、来泊者の仮屋が建てられたことに因むという。島の開拓元禄5年(1692)に始まり、のちに佐伯藩の藩牧が開かれた。寛保3年(1743)に深島から4戸が移住している。真珠母貝・ヒオウギ貝の養殖は昭和38年ごろから始まっている。近年、トコブシ漁などの潜水漁も営まれるようになった。(「シマダス)参照)

屋形島の港。集落からやや離れた位置に港だけがあります。

漁港関連の施設や小屋が点在している。

そして、港から集落へ向かう途中にコンクリートゲートが出現!鶴見大島にもあったものと同じだ。これはやはり防風対策なのでしょう。

集落の前面は浜になっています。


浜辺に面して砂丘状にやや高くなったところに民家が並んでいます。その奥は低くなっていて農地が広がっている。

海岸線に沿った道を歩いて行くと、港から一番離れたところに石塀がありました。

そしてそこから集落は海岸から離れる方向へのびていっています。

この民家が最も古くて大きいでしょう。蔵も備わっている。


その民家のディテール。出窓の小屋根の意匠が凝っている。名主クラスの屋敷かな?

この石垣は平べったい石を斜めに積むやり方。平たく割れる青石でしょうか。豊後水道対岸の愛媛県佐田岬半島にも見られます。
海岸から離れて行く縦道に沿った町並み。

一番奥に神社がありました。集落のエッジということになります。
集落の裏手に広がる平地。今は何も植わっていませんが、かつては農地だったのではないでしょうか。あるいは湿地帯。
屋形島の集落は無住の家々が多く寂しかった。そして、やはり40分は忙しかった。ドローンも飛ばせず、蒲江港へ戻ります。

蒲江は入江状の港に面する海岸線に沿った町です。

蒲江町役場だった建物。

海岸線に平行する主軸の通りを端から歩きます。

入江の一番深いところ。

このあたりに銀行や商店が集まっている。

古そうな民家がありました。

そしてさらに進んでいくと、主軸の通りは尾根をトンネルでくぐります。

トンネルを抜けたところにも町並みは続いていました。