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海界の村を歩く 東シナ海 口永良部島

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(鹿児島県屋久島町口永良部島本村)

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さて、種子島を後にして今回の旅の本命である口永良部島へ渡ります。町営船フェリー太陽は種子島島間〜屋久島宮之浦〜口永良部島間を1日1往復していますが、奇数日と偶数日で運行時間が変わります。いずれも屋久島宮之浦港を始終港として、奇数日は屋久島→種子島→屋久島→口永良部島→屋久島の順、偶数日は屋久島→口永良部島→屋久島→種子島→屋久島の順。したがって、奇数偶数の順番で島の滞在時間が変わります。私は集落だけが目的なので、滞在時間の短い奇数日インの偶数日アウトとしました。
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屋久島の西方約12kmの海上に位置する火山島。島の南東部に昭和41年に大噴火した新岳が今なお水蒸気をあげている。丘陵は緑に覆われて自然の牧野となっている。切り立つ断崖の赤い岩肌は、自然の侵食によって奇岩怪石となり、それが黒潮の海面に映る景観は、湧き出す良質の温泉とあいまって絶景であり、緑の火山島ともいわれている。島内の各遺跡からは縄文式・弥生式の土器が出土している。応永15年(1408)には種子島氏の支配下にあり、津城城など種子島氏の出城が築かれていた。爆発など島内の火山活動は活発で、代表的な活動は天保12年(1841)以降昭和55年まで16回を数える。現在、シイタケ栽培やタケノコ加工、和牛の生産などがおもな産業だ。山海留学生も積極的に受け入れている。(「シマダス」参照)
このシマダスの記事が書かれた後、全島避難にまで及んだ大噴火が2015年にありました。島の方々は屋久島で7ヶ月避難生活をした後に帰還。現在はレベル3となって小さな噴火は頻発しています。
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フェリーに積まれた車両はトラック1台だけ。あとはコンテナ。
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離島ではおなじみの光景。船が着く時間に物資を受け取りに住民が港に集まってきます。
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今夜ご厄介になる民宿のおかみさんは、今乗ってきたフェリーで隣に居た方でした。港に置いてある民宿の軽バンを借りて、集落取材に繰り出します。
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天気が怪しく小雨が降ったり止んだり。小降りのうちにドローンを飛ばす。
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噴煙を上げているのが2015年に大噴火した新岳、右端の高い頂が古岳。湾の対岸の茶色くなっているところは、火砕流が湾まで達したところで、埋まった施設や電柱がありました。こわかったでしょうね。
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本村集落。2つの山の間の湾に面した平野部に集落が形成されています。
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フェリーは約30分滞在して屋久島に向かって出ていく。
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集落取材開始です。ここは湾に面した円弧状集落の一番西の端。いきなり高く積み上げられた石垣石塀からスタートだ!
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石塀の上にさらに古瓦が積まれています。浜からの風が強いのでしょうね。
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集落内部を貫くメインの横道。ここから入っていきます。
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舗装が美装されていましたから、町並みとしての見どころなんでしょう、石垣石塀と家屋と背景の山との組み合わせがいい!思わず「いいじゃんいいじゃん」と興奮です。
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アコウか?南国の島らしい。
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コンクリート塀がここまで味わい深くなるものか。
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メインの横道を歩いていく。廃屋になってしまってますが、かつての商店か。
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ごろた石の石塀とルーフィング葺+板壁の民家。うーむ、トカラ列島に繋がるなぁ。
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このような水場があちこちにあります。
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石塀でガッチリ囲った屋敷。中入ってみましたが(無住)、海に面して入口が開いているため、風が吹き込まないように二重に折れ曲がっていました。
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ここにも商店の跡が。
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屋根の傾斜が皆同じ角度なので集合体として綺麗です。
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本村(ほんそん)の共同浴場「本村温泉」
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破風面を板でカバーしています。吹き上げる潮風対策でしょう。
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ストリートファニチァー
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鹿児島県で大流行りのルーフィング屋根。トカラ列島でも悪石島以北で大活躍でした。この屋根、元は瓦葺だったと思われますが、メンテナンスが大変なので、ルーフィングに変わっているようです。原色は黒ですが、日射を反射させようと皆白に塗っています。
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横道から縦道へ
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縦道のメイン。側面が剥がされたような廃屋があった。
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本村から新岳の北側を巻くように、島の東端にある湯向(ゆむぎ)地区へ向かいます。その道が結構狭く険しく長い。頑張って速く走っても30分かかります。
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湯向集落。10軒くらいかな。
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石垣と板壁の古民家。
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黒いルーフィング屋根の家。
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湯向港。向こうに見えるのは屋久島。
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湯向温泉。
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自身の入浴シーンを撮影しようとしたら、地元の方が入ってきてしまったので断念。
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本村と湯向の途中から海岸へ降りていくと(凄い険しい道)寝待温泉があります。みてくださいこの風景、秘湯中の秘湯でしょ。
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クルマを置いて歩いていく。小屋のような建物が並んでいます。寝待温泉は島内でもひときわ良い泉質で、これらは湯治のための小屋なのだそうです。
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しかし、昨年2018年の台風で土砂崩れの被害を受けてしまいました。小屋群の殆どが被災し、温泉との間の沢が土砂崩れで道が埋まっています。
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その土砂に上を歩いていくと、温泉の建物が辛うじて被災から免れていました。
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脱衣所。
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浴室。入ることができますが、照明もなく怖いのでやめました。
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東シナ海に沈もうとしている夕日。
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寝待温泉から本村へ戻る途中、田代地区にある「民宿くちのえらぶ」
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今宵の宿です。宿のおかみさんは横浜生まれの方で、旦那さんと24歳の時に島に移住されたそうです。
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そして、途中で民宿を始めようと、何んとこの家を廃材を活用しながら自力で7年かけて建てたんだそうです。
プロの目から見ても素晴らしい建築です。このホールの空間がすばらしく気持ち良い。
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泊まった部屋「うなぎ」
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木建が可愛い
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扉は小学校の廃材を利用したんだそうです。引き戸を片開き扉に。
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海を望むテラス。
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真正面に同じく噴煙を上げる薩摩硫黄島が見える。
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庭に「福岡管区気象台」のトレーが。火山観測に定期的に気象台の職員の方々が泊まられるそうです。でも、何でしょうね、これ。
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民宿くちのえらぶ、とても居心地の良い宿でした。連泊されるリピーターのお客さんも多いとか。いずれまた泊まりたいな。
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10:30発の偶数日の船が来ました。とても良い旅でした。これから、1日かけて東京に戻ります。

by marunouchi_no1 | 2019-04-14 20:00 | 鹿児島県  

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