(沖縄県伊是名村伊是名)
沖縄本島の北西、東シナ海に浮かぶ伊是名島と伊平屋島は、かつては1つの村だったそうですが、現在は別の村であり、船も運天港からそれぞれに運行しています。13年前、伊平屋島に渡ったあと、チャーター船で伊是名に渡ったことを思い出します。懐かしいです。
沖縄本島の北約27kmの東シナ海に浮かぶ島。周囲には具志川島、屋那覇島、降神島の3つの無人島がある。島はリーフに囲まれ、海岸沿いに伊是名・内花・勢理客・仲田の5集落が点在している。標高120mのチジン山と大野山を結ぶ山々を中心に東西へ緩やかな傾斜地が広がり、サトウキビが栽培され、コメ作りも盛ん。また、沖縄随一の養殖モズクの産地としても知られている。まわりの無人島は、キャンプやダイビング・釣りのメッカだ。琉球王朝第二尚氏の始祖「尚円王」の出生地として広く知られ、文化財も多く、歴史と自然が残る。(「シマダス」参照)
伊是名港では、大学時代に伊是名集落を研究していたという会社の同僚が迎えに来てくれていました。バイクを借りて早速伊是名集落へ向かいます。
集落では、祭りの前日の準備をしていました。ウンナー祭りのクライマックスでは大綱引きが催されます。その綱を作る準備です。田んぼの藁を集めて、数本を束ねて結び、それをつなぎ3本を引っ張りながら捻って最初の縄にしていきます。
これが結構力がいる作業。伊是名地区の中に10班があり、一つ一つの班がこの縄を作って、明日持ち寄り、大きな縄にするのです。
祭り前日の作業が終わったのが19:30頃。これから飲み会が始まります。
私たちが参加したのは、集落の西(イリ)地区。漁師の方の家で刺身がふるまわれました。
祭りの行われる集落の中心にある公民館では、準備を終えた青年会の方々が酒盛りをしているというので、そこに参加。いつしか三線を奏でた踊りが始まった。
地酒の泡盛をしこたま呑んで潰れました。気がついたら民宿のトイレの前で寝ていました。
祭り当日。午前中は空撮です!伊是名ビーチからドローンを飛ばします。
伊是名ビーチはサンゴ礁のリーフです。船の通路だけリーフが削られているのがよくわかる。
伊是名集落。周囲は田圃が広がっています。
左下の陸屋根の建物が公民館。この公民館から北側(奥側)が古い集落で、フクギ林も多く残っています。 集落の一番北側には、旧家の二つの大きな屋敷が並んでいます。一番右にある赤瓦の家は「旧銘苅家住宅」です。銘苅家住宅は、琉球王朝第二尚氏の始祖「尚円王」の叔父にあたる家系の家で、明治39年に再建された建物です。沖縄戦の被害を免れ保存状態も良く、国重文に指定されています。
島の南東端にあるチジン山から伊是名集落を遠望。左にある三角形の山の向こうに「陸ギタラ」「海ギタラ」という珊瑚石の頂があります。
大綱引きは伊是名集落を東(アガリ)と西(イリ)に分かれての対抗戦。公民館前が中央になります。
各班で作られた綱が公民館前に集められました。ここでそれらを束ねて、大綱を作ります。
50cmくらいおきに縛って、それらがズレないように長手方向にも繋いでいきます。ここが綱引きの際に持つところになるのです。
東西の大綱は互いに向かい合う側の端を輪っかにして結びつけます。その真ん中に刺して外れないようする「カヌチ棒」。男根の形をしています。
大綱が出来上がりました。伊是名酒造で贈呈用のお酒を購入。
さぁ始まるぞ!
午後6時から集落内の巡行。稲作農家、お祝い事のある家を一軒一軒回って家の前庭で踊ります。各家ではお酒とお料理を振舞います。
伊是名ビーチではキャンプやバーベキューをしている方々がいて、そこでもひと踊り。
カジマヤー97歳のおばぁの家。なんと、おばぁも一緒に踊っておられる!おめでとうございます!握手をさせていただきました。
沖縄の遅い日没。巡行は
2時間弱かかりました。公民館前に戻って、スナイという担がれた板の上での取っ組み合いなど、前座的なイベントを終えて、いよいよ大綱引!
伊是名区長の掛け声で一斉に東西が引き合います。1回目はドロー。
2回目は東(アガリ)に軍配が上がりました。私は、西(イリ)側の所属でしたが、撮影していたため競技に参加できず、すいませんでした。