(山梨県富士川町十谷)
前回「天界の村を歩く2 関東山地 荒川」より
(山梨県早川町茂倉 2016年撮影)
山の上に形成された山岳集落の旅は、埼玉県から雁坂峠を経て山梨県に入ります。秩父地方には山岳集落があるのに、峠を越えた山梨県側は見当たりません。山深さは変わらないのですが不思議に思います。
(山梨県早川町茂倉 2016年撮影)
今回は、早川以外の富士川支流に沿った集落の内、地形図から天界度の高い集落2つをピックアップしました。まず、大柳川の上流にある十谷(じっこく)を歩きます。
南アルプス東部の源氏山・御殿山の東麓、大柳川左岸の台地上にまとまった集落が形成されています。地名は10の渓谷が落ち合っていることに由来しています。
集落に入っていくと、山岳集落らしからぬ町家建築が現れました。
しかもナマコ壁。ナマコ壁は伊豆半島に多いスタイルで、富士川沿いに山梨県や長野県に伝播したと言われています。十谷はまさにそのエリアに当たります。 十谷では、昭和35年に古くからあったとされる温泉を掘削して柳川閣が開湯、次いで源氏荘、十谷荘、山の湯などが開湯し賑わいました。
周辺農村の人々が利用する地元の温泉場だったのでしょうか。
ドローン空撮。こういう画角ですと山の上にある感じが出ませんね。まだまだ修行が足りません。
富士川を身延町まで下り、次の
支流曙川上流域に入ります。このあたりも十谷から続く丘陵地で、いくつか集落が点在しています。その中から福原・古長谷地区を訪れました。東へ向かって下る緩斜面にある福原集落。訪れた日は曇りでしたが、晴れたら富士山が見えるのしょう。 古そうな民家。入母屋金属屋根の二階屋はちょっと珍しいかな。
集落は上の方へ広がってる。
「鰍沢警察署管内 消防組」と右から書かれてる。戦前のものでしょうか。鐘の打ち方で8つの危険を知らせています。
古長谷集落。
かつて草葺だったと思われる高い屋根が見られます。ここから富士山が見えたら、絵になりますね。