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遊里と復興の町を歩く 伊那

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(長野県伊那市)
動画  https://youtu.be/2HakHlak0y8

「天界の村を歩く」というテーマで関東山地、南アルプス東部を終え、甲州街道を北上し茅野から杖突峠を越えて南アルプス西部に移動しました。ここで伊那市長谷(旧長谷村)の山岳集落を取材しましたが、次回の大鹿村と合わせてレポートします。
伊那北駅前のホテルに泊まり、夕食をとるために町に繰り出しました。
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食事の後、街を徘徊。あらかじめ調べていた、「有楽街」というアーケード街を見に。伊那市駅と伊那北駅のちょうど中間です。なんでここにという場所です。
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わずか50mくらいのアーケード街を抜けると、高遠へ通じる金沢街道で、歩道上に屋根のかかった「サンモール入舟」商店街です。
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金沢街道と国道153号線との交差点「入舟」の地下道入口。わざわざ地下道を造る場所でもないのに。でもこの入舟交差点こそ、かつて川港があった場所でした。
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サンモール入舟を過ぎると夜の飲食店街。その中にレトロな建物を活用した居酒屋がありました。玄関に「橋場歯科」とありました。
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小沢川沿いの建物内の通り抜け路地、スナック街です。
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川向かいに怪しげな建物がある。錦町の入口。
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さらに伊那市駅方面に行くとまた怪しげな建物を発見。うーむ、これは遊里に違いない。
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ググってみると「錦町新地」という夜の飲食店街でした。
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JR飯田線の西側を平行する通り町商店街。何気ない地方都市のアーケード街と思いきや、建物の形に注目!洋風看板建築がズラリと並んでいるではありませんか!これはちゃんと取材せにゃあかん!
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小沢川から眺める中央アルプス(上上)と南アルプス(上)。天気が回復したんで山に行きたいけれど、伊那をやり過ごす訳にはいきません。
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昨夜見つけた怪しげな建物。これはかつて妓楼だったようで、現在は「くろねこ」という蕎麦屋さんです。
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色気のある窓。
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色気のある柱。よく残ってるなぁと感心します。そこから錦町に入っていく。
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「旭座」名前からして劇場なのか映画館なのか。昨夜は暗くてよく見えませんでしたが、赤い屋根が片側だけについている?ではなく左手前の建物が当初はなかったのでしょう、左右対称だと思われます。
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裏にある「旭座2」。こっちはかつては成人映画館だったようですが、今はお子様向け映画館。
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なるほど、「錦町楽天地」って言われていたんだ。歓楽街の代名詞。
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信州らしくナマコ壁の蔵があった。ここを抜けると昨夜興奮した錦町新地があります。
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変わった看板建築。
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伊那市駅南の踏切近くにある漆原醸造所。
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JR飯田線と通り町商店街を横切って西へ。ここにも料亭らしき建物あり。工業都市として戦後賑わったのでしょう。
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銭湯「菊の湯」
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そして、昨夜びっくりした洋風看板建築群。夜見た時はあまりにも時代が揃っているので、ショッピングセンターのファサードをわざとレトロに造ったものではないかと疑いましたが、これは紛れも無い戦前の建物です。
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これは、大正8年に大火があり、その復興建築であるため、同時代、つまり大正期の様式になっていると思われます。
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「橋場歯科」の居酒屋。看板じゃないですね。
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入舟有楽街アーケード。さて、ここから東へ天竜川を渡って金沢街道沿いの町並みを歩きます。
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伊那古町というこの商店街は、サンモール入舟の川向こうに位置します。
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見事な看板建築の町並み。
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後ろには庭と蔵が備わっています。
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伊那古町の看板建築ですが、通り町商店街の古典様式系のものとは異なり、全てが装飾を廃したモダニズム系です。しかしモルタル洗い出しではなく銅板金だ。モダニズム+銅板金は、看板建築のふるさとである東京ではあまり多く見られません。また、後ろへの片流れなので、前面のオデコが大きいのも特徴です。
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看板ではない町家がありました。でも外装は銅板。
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モダニズム+銅板金の看板建築
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銅板の緑青が美しい商店。段々になっているのは屋根の形が片流れのため。

伊那にこんなレトロな町並みが残っていたとは、今まで気づかなかった。思わぬ出会いに感謝です。

# by marunouchi_no1 | 2019-05-01 12:00 | 長野県  

天界の村を歩く2 関東山地 富士川

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(山梨県富士川町十谷)

前回「天界の村を歩く2 関東山地 荒川」より

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(山梨県早川町茂倉 2016年撮影)
山の上に形成された山岳集落の旅は、埼玉県から雁坂峠を経て山梨県に入ります。秩父地方には山岳集落があるのに、峠を越えた山梨県側は見当たりません。山深さは変わらないのですが不思議に思います。
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(山梨県早川町茂倉 2016年撮影)
では、山梨県側はどこでみられるかというと、やはり南アルプス、2016年に富士川支流早川に沿った集落を探索しました。早川沿いには斜面上集落は多々ありますが「山の上」という点で茂倉を天界(あまさか)の村として紹介しました。http://www.shurakumachinami.natsu.gs/03datebase-page/yamanashi_data/mogura/mogura.html
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今回は、早川以外の富士川支流に沿った集落の内、地形図から天界度の高い集落2つをピックアップしました。まず、大柳川の上流にある十谷(じっこく)を歩きます。
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南アルプス東部の源氏山・御殿山の東麓、大柳川左岸の台地上にまとまった集落が形成されています。地名は10の渓谷が落ち合っていることに由来しています。
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集落に入っていくと、山岳集落らしからぬ町家建築が現れました。
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しかもナマコ壁。ナマコ壁は伊豆半島に多いスタイルで、富士川沿いに山梨県や長野県に伝播したと言われています。十谷はまさにそのエリアに当たります。
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十谷では、昭和35年に古くからあったとされる温泉を掘削して柳川閣が開湯、次いで源氏荘、十谷荘、山の湯などが開湯し賑わいました。
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周辺農村の人々が利用する地元の温泉場だったのでしょうか。
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ドローン空撮。こういう画角ですと山の上にある感じが出ませんね。まだまだ修行が足りません。
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富士川を身延町まで下り、次の支流曙川上流域に入ります。このあたりも十谷から続く丘陵地で、いくつか集落が点在しています。その中から福原・古長谷地区を訪れました。
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東へ向かって下る緩斜面にある福原集落。訪れた日は曇りでしたが、晴れたら富士山が見えるのしょう。
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古そうな民家。入母屋金属屋根の二階屋はちょっと珍しいかな。
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集落は上の方へ広がってる。
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「鰍沢警察署管内 消防組」と右から書かれてる。戦前のものでしょうか。鐘の打ち方で8つの危険を知らせています。
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古長谷集落。
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かつて草葺だったと思われる高い屋根が見られます。ここから富士山が見えたら、絵になりますね。

# by marunouchi_no1 | 2019-04-29 20:00  

天界の村を歩く2 関東山地 荒川

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(埼玉県秩父市大滝栃本)

前回「天界の村を歩く2 関東山地 吉田川」より。

動画  https://youtu.be/O6ozoimMw1Y
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「天界の村を歩く2」の2日目夜は埼玉県小鹿野泊、明日の奥秩父攻めに備えます。
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荒川上流、最奥の地に秩父市大滝(旧大滝村)があります。このエリアは関東山地「天界の村」のクライマックスです。まずは、荒川が二瀬ダムに堰き止められできた秩父湖を見下ろす大滝寺井・麻生集落から歩きます。
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荒川の左岸、南斜面上の寺井・麻生地区。
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麻生加番所跡。寛永20年(1643年)幕府の役人が巡見の際、栃本の関の警備が手薄なのをみて、関より江戸側に加えて設置することになった番所だそうです。建物は名主宅を兼ねていましたが焼失し、現在の建物は幕末に建てられたもの。それ以降も番所と呼ばれていたそうです。
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集落の背後の畑地。
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お地蔵さんが並んでいます。
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集落上部から見下ろす。秩父湖の対岸奥には三峰神社とその下に形成された三峰集落があります。
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斜面の一部は石垣によって段々状に宅地化されている。
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画像は2006年のもの。建物がちょっと減ったかな。
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寺井・麻生地区の1つ上流側にある上中尾地区(2006年撮影)。
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荒川最奥の栃本集落。武蔵国と甲斐国を結ぶ秩父往還が国境雁坂峠を越える武蔵側にあり、関所がありました。
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ドローン空撮(上2枚)。さぞ迫力あるだろうと思って飛ばしましたが、地上から撮った方が迫力あるなぁ(下)。
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斜度は20度くらいでしょうか。家々が固まっておらず、割と離れています。畑は段々畑になっておらずゼリ畑。
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栃本の関。
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秩父往還にあたる国道140号線から見下げる。
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駐車場も一苦労です。
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栃本バス停のところの大きな家。
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名主格の家でしょうか、とにかく造りが立派です。
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谷側の建物。円窓がある。旅館だったのかな?
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斜面上の集落を結ぶ上下方向の道が、集落全体を斜めを一直線に通ってます。
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さて、計画ではここから関東山地最後の奥多摩を歩く予定です。しかし、明日天候が崩れるので今日のうちに南アルプス東麓を訪ねておきたい。奥多摩は家から近いので、後日改めて訪れることにします。

# by marunouchi_no1 | 2019-04-29 12:00