(静岡県川根本町下長尾久保尾)
前回「天界の村を歩く2 南アルプス 天竜川」より
秋葉山より国道362号線を東へ走ります。天竜川水系から大井川水系へ移ります。
この辺りは山というより険しい丘陵地と言った方が良いでしょうか。関東山地で紹介した神流湖周辺と似ていて、日当たりのよい山の上に農村が点在しています。大井川の支流・境川上流部左岸にあり、松枝山からの尾根上に形成された久保尾集落を歩きます。
なぜこの集落を選んだのかと言われれば、「地形図とにらめっこしていて光るものがあったから」というしかありませんが、等高線の密度と集落の家の数や配置が気にいった(気になった)んだと思います。
空撮画像を見ていただけばお分かりのように、日当たりの良いところに数々の茶園集落が見られます。
最上部近くの学校跡にクルマを停めて歩きます。茶畑は時にこのような黒カバーがなされたものがあります。「寒冷紗」というそうです。
GWはちょうど茶摘みの時期。皆さん総出で茶摘み作業をされていました。
切妻平入りの主屋に下屋をまわしています。
右手前の部分は製茶の作業小屋かな?
茶摘み真っ盛りです。
茶園の中に埋まるように建つ住宅。
お茶の木と木との隙間は、茶摘み作業ルートで木の山の半分まで手が届くようなっています。
境川の北、大井川支流・長尾川の左岸斜面上に位置する尾呂久保集落です。
茶園が広がるこのエリアの典型的な農村で、大札山(1973m)と白羽山(771m)とを結ぶ稜線から長尾川の谷に向う斜面上に位置するまとまった集落であるため、天界(あまさか)の村」として取り上げたました。
民家は茶畑の中に点在しており、切妻平屋で製茶小屋が付属しています。ここも茶畑に埋まるように屋根が点在する集落景観で、実に美しいものです。 集落の上方から下りていきます。
左側の2階屋は1階が製茶作業場かな。
この家は、「川根茶つちや農園」でいくつもの建物が集まっています。
ホームページを覗くと数々の賞を受賞している、川根茶農園の中でも有名な家のようです。また、ホームページでも「まさに天空の茶園です」と表現されていました。
尾呂久保集落の家々は屋根が金属板葺きでメタリック。それが緑の茶畑と調和して美しい集落景観を創り出しています。