(埼玉県秩父市吉田太田部 楢尾)
前回「天界の村を歩く2 関東山地 南牧川」から
南牧村から2003年に完成した湯の沢トンネルを通って上野村に出ます。以前はハードな峠越えで、ジープに乗って林道ばかりを走っていた頃はよく通ったものです。
上野村には立派な道路が整備されていますが、神流川に沿った旧道を辿ると重要文化財黒澤家住宅を始め良い町並みが残っています。しかし、地形図で調べた限りは良さそうな「天界の村」が見当たりません。上流側から下っていくと、神流町に入って支流橋倉川の最奥部に「平原(へばら)」という天界の村がやっと現れます。
神流町平原の八倉(ようくら)地区。ここは谷の対岸にこの集落を眺められる場所がないので、全景撮影は空撮しかありません。
日当たりの良い斜面上の集落。かなりの斜度です。
かつて養蚕をやっていた古民家もあるのでしょうが、南牧村のそれとはやや形態が異なる印象です。 倉を配する家。
二階に手が届く斜面地に建つ民家。こういうのは間違いなく養蚕農家だったでしょうね。
八倉の畑地。わが国の山岳集落は、焼畑農業のエリアと被っているといわれています。その名残と言いたくなるような農地。
さらに川を下ると神流川を堰き止めた神流湖となります。その神流湖の周りも天界の村の集積エリア。画像は埼玉県秩父市(旧吉田町)吉田太田部・久保田&北地区。立派な二階建ての直家がありました。この地方は妻面の貫の意匠が美しい!
久保田地区から眺めた谷の対岸の楢尾地区。
埼玉県秩父市吉田太田部・楢尾地区の町並み。一番上の家。
楢尾地区から谷の対岸の久保田・北地区に向けてドローンを飛ばしました。
楢尾地区の町並み。天界の村といっても標高はさほど高くなく丘陵地上の町並みといえますが、美しい山岳集落です。
神流湖北岸は群馬県藤岡市、下久保地区。神流川を堰き止めている下久保ダムを望む集落。
換気塔が並ぶ屋根。ここも貫の意匠が美しい。
下久保地区の町並み。
今晩は小鹿野泊です。明日は関東山地の天界の村を代表する景観が見られる奥秩父・旧大滝村へ行きます。